ここ一年でマスクをして生活するスタイルが当たり前になりましたよね。
学校や幼稚園で毎年冬に大流行するウイルスたちが軒並み静かにしてくれているのは嬉しいことなのですが、とある問題が浮上しています。
それはマスクをすることで表情がわからないこと。
大人でも目だけでは表情が読み取りづらいと思うことがありますが、より子供に影響があると言われています。
マスクで表情がわからないことで、子供の言葉の発達や身体的な発達への影響はどのようなものがあるのかをまとめてみました。
マスクで表情がわからないことで子供への発達への影響はある?
マスクで表情がわからないことで子供の発達への影響があるかないか。
新聞やニュースなどで見かける記事では専門家の人は「マスク着用が子供に影響があると言える」と話していました。
『マスク着用が保育に及ぼす影響に関する保育者の認識』(PDF資料)なんていうタイトルの論文もありました。
大人であれば目元だけでは表情を読み取りづらいと思いながらも、口のようすが想像出来たり、言葉のニュアンスである程度感情や表情が伝わることもあるでしょう。
ですが、発達途中の乳幼児には脳の発達の情報として口元の動きがとても大切になってくるんです。
マスクで言葉の発達に影響が!
1歳ぐらいまでの時期の子供は目・鼻・口を見て顔だと判断しているんだそうです。
色んな人の顔やその動きを見て、笑ったり怒ったりといった喜怒哀楽の感情や表情を学んでいくとのこと。
乳幼児期になると、脳内にある目からの情報と耳からの情報を処理する部分が特にこの時期
生活する環境を受けて発達します。
口も含む顔全体が大きく動く情報を脳内に取り入れて、なじみのある人とそうではない人の顔を区別したり、相手の感情を理解するようになるんです。
そのため、口元がマスクによって隠れてしまうと顔全体を学習したり相手の心を表情から読み取る機会が失われてしまいます。
また、言葉は耳からの音の情報だけではなく、音を発する口元を見る情報と脳内で統合して真似しながら覚えていきます。
マスクで保育する現場の声
日常的にマスクをするようになって丸1年。
保育をする現場からは、やはりマスクをすることで子供たちの様子の変化を感じている声が多数寄せられていました。
「マスクをしたまま離乳食を挙げていたらかまずに飲み込む子供が出てきた」
「本来現れるはずの園児の人見知りが出にくくなった」
「笑いかけても笑顔を返さないことが増えた」
「言葉が出るのが遅いと感じる」
といった声。
親として関わっている中では「マスクがあったら表情がわかりづらいだろうな」って思いだけで終わっていましたが、発達に影響がでて将来に関わってくるとなると甘く考えてはいけない問題だなと感じました。
離乳食とマスクの関りでは、マスクを外してモグモグと噛むお手本を見せたら、子供たちも真似してきちんと噛んで食べるようになったというのです。
我が家の子供たちが通う幼稚園では夏休み明けの時から先生たちは透明なマウスシールドに変わっていました。
実際に保育をしていて感じたことがあったからこその対応だったのかなと思っています。
マスクと子供の関りで感じたその他の声
保育の現場以外で、実際に子育てしている親や、その他関りがある人たち、小学生の子供からの声ではもっと色々な意見がありました。
「休み時間に走り回って遊ぶときもマスクをつけてと言われて苦しくなるから違うことしている」
「幼稚園や学校の行事の写真がみんなマスクをしているから誰が誰かわかりづらい」
「表情が読み取りにくく、具合が悪くないかどうか気にかかる」
「声が届きにくく聞き取りにくいせいか、返事がない」
など。
私も実際に声をはらないと伝わらなかったり、逆に私も聴き取れなかったりして余計なストレスを感じることはありますし、学校や幼稚園からの写真もマスク着用したままで撮られているのに悲しくなったり…。
最初の子供たちの声なんかは、やばくないですか!?
マスク着用することで、運動する機会を喪失してしまっているわけですよ!
教室で悪気なくぶつかったりしたときにきちんと謝ったものの、マスクで声がこもってしまい相手に届かず、ケンカに発展するなんてケースもあるそうな。
またツイッターでは
子供とか口唇閉鎖できないと歯並びにも影響するんだけどな。
もちろん子供だけじゃなくって大人でも色々問題起こるんだけど。
感染対策でマスクの付け方とかは言うけど、マスクをつけてる時の呼吸の仕方までは誰も言ってないし…。— rie (@R_Hygienist) February 9, 2021
といった声がありました。
たしかに口が閉じきれない我が家の息子は出っ歯のため矯正しています。
意識して口を閉じて鼻呼吸をしてと歯医者さんからも言われています。
マスクをすることで鼻呼吸だと苦しく感じてしまい、尚更口呼吸になってしまうというのもありますよね。
マスク着用が子供の言葉や表情だけではなくて、成長過程の骨格にまで影響するなんて…。
さらには小さい子であれば鼻を上手に噛めなかったり、面倒くさがってぬぐうだけなんてこともあります。
マスクをすることでマスクの中が湿ってしまい肌荒れを起こしてしまう人も増えているようです。
マスクをすることで、口呼吸のリスク、骨格へのリスク、そして言葉や表情のリスクと子供たちへの影響は計り知れません。
マスクの子供への影響について日本小児科医会からのメッセージ
日本小児科医会では2歳未満の子どもにはマスクは不要との声明が発表されています。
マスクなしとなると、それはそれで状況に応じた行動が必要となるため保護者である私たちも保育者も大変な部分は出てきますが、出来ることをやっていくしかないですよね。
マスクしながらでも出来る対策は?
ウイルスの感染が広がるのはやはり飛沫が多いので、今はまだマスクは手放せない現状。
そんな中でも出来る対策としては
- 身振りを大きくして表現する
- 状況によってはマスクを外して接する
- 表情が見えるタイプのマスクを使用する
- 目を合わせてしっかりコミュニケーションを取るようにする
- スキンシップを大切にする
- 相手の視点に立って考えることをより意識する
です。
マスクをしていて表情がわかりづらいなら、視線を合わせた語りかけやスキンシップを今まで以上に大切にする心がけが必要となります。
絵本を読む時や何かを伝えるときには表情が見えない分、マスク無しの時より大げさに表現して伝えるようにするぐらいでちょうどいいかもしれません。
そして状況によって時にはマスクを外すこともして、表情に触れる機会を増やすことを意識していきたいところです。
実はフランスでは昨年0~3歳児を保育するフランス国内の保育園などに透明マスクが無料で配布されているとのこと。
日本でも早く何らかの対策がスタートするといいですね。
マスクで表情がわからない子供の発達への影響のまとめ
途中、表情以外のマスクの影響も交えての内容となりましたが、マスク着用による子供の発達への影響は多方面にあることがわかりました。
とはいえ、インフルエンザは今期大流行せずに抑え込むことが出来ましたし、手洗い・うがい・マスクは必要な対策になるのも事実です。
透明なマスクが主流になるとか、何らかの形で早急にマスク着用の状況が変わる環境が整って欲しいですね。
ワクチンが世に出回り、これまでのような大流行の心配が落ち着いて、マスクをはずせる日常が戻ることを願うばかりです。