タケノコは3~5月が旬の春の食材。
歯ごたえがあって美味しくて、色も白っぽいため和洋中どの料理でも合う万能食材だと感じています。
そんなタケノコですが正しいアク抜き方法をご存知ですか?
スーパーでよく見かける水煮タケノコではなくて、生のタケノコの場合はアク抜きと加熱という下処理が必要となります。
方法を間違えると、呼吸困難やかゆみ、喉に違和感を感じるなど体調不良になる場合があるんです。
私はいつも水煮のタケノコを使っているのですが、今回生のタケノコの危険性を知ったので、そんなタケノコの危険なわけについてまとめました。
タケノコは生だと危険!?
タケノコは基本的には生のままではなく、加熱調理して食べます。
タケノコは野菜の中でもアク(シュウ酸やホモゲンチジン酸)がとても強く、アク抜きせずに食べようとしてもエグみが強くて美味しくありません。
生のタケノコを手にした時にアク抜きや加熱処理が面倒だからと言ってそのまま調理に使うなどの手抜き料理をすると、タケノコに含まれる毒性のある成分によって体調を崩すことがあるんです。
タケノコの生が危険なわけその①
タケノコには「青酸配糖体(せいさんはいとうたい)」という人にとって毒ともなる化合物が含まれているんです。
青酸配糖体(タキシフィリン)という化合物は、腸内に届くと腸内細菌の働きによって糖と切り離されると青酸になったり、胃の中にある消化酵素によって分解されることで青酸になり強い毒性を発揮してしまうとのこと。
青酸配糖体は本来熱には強いのですが、タケノコに含まれるタキシフィリンは例外で熱に弱く、40分ほど煮沸することで分解されるのでしっかり加熱することが大切になります。
タケノコの生が危険なわけその②
タケノコにはアク、つまりエグみの原因となるシュウ酸が含まれています。
このシュウ酸がアク抜きによって取り除かれればいいのですが、残っていた場合には味に苦みやエグみを感じやすくなります。
また、タケノコには仮性アレルゲンのコリンという成分が含まれています。
このコリンは長時間煮ることで取り除かれますし、たとえ煮た後に多少残っていても水にさらすことで抜けてくれます。
ですが、このコリンが抜け切れていないタケノコを食べたときに喉に違和感を感じたり、身体のかゆみ出てきたりという危険が伴います。
けれど毒だとかその症状を聞くと怖くなりますよね。
アク抜きと加熱調理をすることでエグみや毒性を抜くことが出来るので、生のタケノコをそのまま食べることはせず、面倒でもしっかり加熱してから料理するようにしましょう。
生のタケノコのアク抜き方法
生のタケノコの基本的なアク抜き方法はこちら。
皮つきタケノコ
米ぬか・・・1カップ
赤唐辛子・・・1本
水・・・タケノコが被るぐらい
泥のついた皮を数枚剥いてさっと洗い、中の身のギリギリぐらいまでの皮の先っちょをスパンと切り落とします。
そして皮の繊維に沿って2箇所ほど切り込みを入れましょう。
皮に切り込みを入れることで、中の身のアクが抜けやすくなります。
皮の縦の繊維に添って前と後ろの2箇所、身に届きそうなぐらいの深さまでスーッと
切り込みを入れます。
そして沸騰してからではなく、水の状態から火にかけて、弱火でコトコト。
浮いてきたアクを取り除きながら1~2時間ぐらい加熱しましょう。
加熱後冷ますのも忘れずに。
生のタケノコのアク抜き加熱処理の方法を画像沢山でとても詳しく教えてくれていて参考になるサイトはこちらです。
→https://www.sirogohan.com/recipe/takenokoaku/
生のタケノコは皮をむいてからアク抜きしちゃダメ?
タケノコのアクを抜くのに加熱時に皮を全部取ってしまうのはいいのでは?と思うかもしれませんが、
皮をつけておくことでの利点は2つ。
- タケノコの旨味が逃げない
- じっくり時間をかけてゆでることが出来てアクが抜けやすくなる
からです。
ですので、皮はつけたまま先程の処理の方法でしっかり加熱しましょう。
タケノコのアク抜きに米ぬかを入れる理由と加熱時間が長いのはなぜ?
タケノコをアク抜きする際に米ぬかをタップリ入れる理由は、タケノコに含まれているエグみの原因となるシュウ酸が、米ぬかに含まれるカルシウムと結合して取り除かれるからです。
米ぬかがないからいいやと入れなかったり、適量よりも少なかったらシュウ酸がタケノコからしっかり抜け出してくれないためにエグみが残りやすくなります。
ですので、シュウ酸をしっかり取り除くためにも米ぬかは適量をしっかり入れて加熱しましょう。
また加熱時間が長い理由は、タケノコに含まれる仮性アレルゲンのコリンという成分が取り除かれるからです。
たとえ茹でている間にコリンが抜け切れていなくても、加熱後水にさらすとほとんどなくなります。
このように生のタケノコの加熱が不十分なまま食べることが、喉の違和感を引き起こしたり、めまいや呼吸困難、嘔吐や下痢、時にはかゆみなどに襲われる原因になってしまいます。
アク抜きしたつもりになっただけで、実際はアク抜き出来ていない状態になっていると食べたときに症状が出やすくなるので、煮る手順や加熱時間には注意しましょう。
スーパーで見かける水煮されているタケノコは安心
タケノコが上記のような危険が伴うことを知るとちょっと怖くなってきますが、スーパーでよく見かけるのは「水煮されたタケノコ」かと思います。
細切りされたり、半分にされた状態のタケノコが水分と共にパックされて袋売りされていますよね。
この水煮タケコノはすでに安全なところまであく抜き加熱調理された状態で販売されているので、先程の生のタケノコのような危険はなくなります。
面倒な下処理や、あく抜き失敗もなく便利です。
ただ、スーパーに売っているタケノコの水煮の袋の裏には「5分ほど茹でてから使用するとよりいっそう美味しくなります。」と書かれているものもあります。
これは、パック詰めによる臭みを消したり水分に含まれる保存料を抜く目的があるための記載であり、わざわざ茹でずに他の食材と同時に料理をしても特に問題はありません。
タケノコはスーパーのどこに売ってる?
スーパー内でのタケノコの売り場は野菜コーナーに陳列されていることが多いです。
私がよく行くスーパー2件では、
店舗入ってすぐの野菜コーナーに生のタケノコ(滅多に見かけない)
少し進んで次のお魚コーナーの手前辺りに山菜ものの水煮パックと一緒に水煮のタケノコ
が陳列されています。
正直、水煮のタケノコは中国産のものが多いです。
国産の水煮されたタケノコを見かける機会は少ない。
中国産のは年中いつでも店頭に並んでいて、なにより日本産よりも安い。
国産のタケノコが並んでいるのを見ても中国産の3倍近い値段だったりします。。。
タケノコのおすすめレシピ
私がよく作るのは、
- あんかけ焼きそばのあん
- 小松菜やエリンギとの野菜炒め
- コンニャクと一緒にかつお節煮
- 炊き込みご飯
などです。
その他、レシピサイトでよく出てくるのは、
- バターしょうゆ焼き
- 天ぷら
- 春巻きの具
などですね。
洋食ではメインにせず添えるだけでも存在感がありインパクトが出せるタケノコ。
タケノコの生は危険のまとめ
タケノコは生のものとすでに水煮されたものがあって、生のタケノコを食べる時には必ずアク抜き加熱処理してから食べるようにしましょう。
アク抜きってつい「しなくてもいっか~」となりがちですが(あれ、私だけ?)、手抜きで料理をしたことで体調不良になるのは切ないです。。。
アク抜き加熱の下処理も何かと失敗が伴いやすいので、正しい方法で行いたいですね。